
知ってるようで知らない?シャンプーの成分と正しい知識
毎日のように使っているシャンプーですが、実は中身についてよく知らないまま選んでいるという人も少なくありません。
香りや泡立ちの良さだけで決めていると、自分の髪質や頭皮に合わないものを使い続けてしまう可能性もあります。
シャンプーには洗浄成分や保湿成分など、さまざまな成分が配合されておりそれぞれに役割や特徴があります。
特に洗浄の役割を担う界面活性剤は種類によって洗い上がりや頭皮への刺激に大きな違いが出るため、成分表示を見るだけでも選び方が変わってくるはずです。
また、化粧品として販売されているシャンプーと、医薬部外品として販売されているものには明確な違いがあります。
さらに市販のシャンプーとサロン専売品にもそれぞれ特徴があり、使う人の目的や悩みによって選ぶ基準も変わってくるのです。
そこで今回は、シャンプーに含まれる成分や種類の違い、選び方のポイントを丁寧に解説していきます。
毎日のケアを見直すきっかけとして、ぜひ参考にしてみてください。
そもそもシャンプーは何のためにする?

シャンプーの目的は髪についたスタリング剤やホコリ、頭皮の皮脂や汗などの汚れを落とすことです。
つまり、頭皮と髪を清潔に保ち頭皮環境を整えることにあります。
日常生活を送るうえで、頭皮は日々こんな汚れにさらされています。
- 皮脂や汗(分泌物)
- ホコリや花粉、排気ガスなどの外的汚れ
- 整髪料やスタイリング剤の残留物
これらの汚れがたまると、毛穴詰まり・頭皮のベタつき・ニオイの原因・フケやかゆみにつながってしまいます。
シャンプーはこれらの汚れを適切に落とし、頭皮環境を整えるためのアイテムです。
頭皮環境を整えることで髪のハリやコシも整いやすくなります。
だからこそ、シャンプーだけでなくシャンプーのやり方もとても重要になります。
正しいシャンプー方法についての記事もございますのでぜひチェックしてみてください。
泡立ちが悪いときに汚れが落ちている
シャンプーを手にとって洗いはじめた時、「なんだか泡立ちが悪いな」と感じたことはありませんか?
実はこれ、シャンプーの洗浄成分がきちんと働いているサインでもあります。
泡が立ちにくいとき、多くの場合は髪や頭皮に皮脂汚れ・スタイリング剤・ホコリなどが多く残っている状態です。
シャンプーの主成分である洗浄成分(界面活性剤)は皮脂汚れや油分と結びついて、泡をつくるよりも先に汚れを包みこんで落とす働きをします。
そのため1回目の洗髪で泡立ちが悪くても、それはちゃんと汚れを落としてくれている証拠なのです。
1回目でしっかり汚れを浮かせたあと、2回目のシャンプーでふんわりとした泡が立つのは頭皮がクリーンな状態に近づいているということになります。
「界面活性剤」とは?
シャンプーの洗浄力の中心を担っているのが界面活性剤です。
これは水と油という本来は混ざり合わない性質のものをつなぎ合わせる働きを持っています。
私たちの頭皮や髪には皮脂やホコリ、スタイリング剤などの油分が付着しています。
これらの汚れを効率よく洗い流すには水だけでは不十分です。
そこで活躍するのが界面活性剤なのです。
どうやって汚れを落とすの?
界面活性剤は分子の片側が水に溶けやすい親水基、もう片側が油にくっつきやすい親油基という構造になっています。
この性質により頭皮の皮脂や汚れを包み込んで乳化し、水に溶けた状態で洗い流すことができます。
この働きによって、髪や頭皮の汚れをすっきり落とすことができるのです。
泡立ちを生むのもこの成分の働きによるものです。
種類も様々!強さや性質の違い
界面活性剤にはいくつか種類があり、それぞれ洗浄力や肌へのやさしさに違いがあります。
主な分類は以下の通りです
- 高級アルコール系(ラウレス硫酸Naなど)
→洗浄力が強く泡立ちが良い、敏感肌には刺激が強め。 - 石けん系(脂肪酸カリウムなど)
→自然派志向で使用されることが多く、さっぱりとするが髪がきしみやすい。 - アミノ酸系(ココイルグルタミン酸Naなど)
→洗浄力はマイルド、頭皮や髪に優しいのが特徴。 - ベタイン系(ラウラミドプロピルベタインなど)
→低刺激で子供用や敏感肌用に使われることが多い。
どちらを選べばいい?
どの界面活性剤が入っているシャンプーを選ぶかは自分の頭皮や髪の状態に合わせて決めることが重要です。
-
皮脂が多い・べたつきが気になる人
→ 高級アルコール系や石けん系など、洗浄力が強めのもの。 -
乾燥肌・敏感肌の人、カラーやパーマをしている人
→ アミノ酸系やベタイン系など、やさしい洗浄力のもの。 -
毎日使いたい人、時短ケアをしたい人
→ マイルドでバランスの取れたアミノ酸系やベタイン系がおすすめ。
商品パッケージの成分表示をチェックして自分に合ったタイプを見つけましょう。
成分表に最初に記載されている界面活性剤が主成分です。
「化粧品」と「医薬部外品」の違いって?
シャンプーのパッケージを見ると、「化粧品」と「医薬部外品」と書かれていることがあります。
一見どちらも似たように思えますが、実は役割や効果に明確な違いがあります。
化粧品シャンプー
「化粧品」として分類されているシャンプーは髪や頭皮を洗って清潔に保ち、感触や見た目を整えることを目的としたものです。
基本的には日常的な汚れの除去や指通りをよくすることが主な役割です。
薬機法上、「防止・治療」といった効果効能の表示はできないのが特徴です。
薬機法第2条3項
この法律で「化粧品」とは、人の身体を清潔にし、美化し、魅力を増し、容貌ぼうを変え、又は皮膚若しくは毛髪を健やかに保つために、身体に塗擦、散布その他これらに類似する方法で使用されることが目的とされている物で、人体に対する作用が緩和なものをいう。ただし、これらの使用目的のほかに、第一項第二号又は第三号に規定する用途に使用されることも併せて目的とされている物及び医薬部外品を除く。
引用元:昭和三十五年法律第百四十五号 医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律 │ 厚生労働省
医薬部外品シャンプー
「医薬部外品」は特定の効果・効能が認められている有効成分を一定量配合している製品です。
厚生労働省が認可した成分を含んでおり、予防や軽度の改善を目的にした処方が特徴です。
ただし「医薬品」とは異なり、病気や重度な症状の「治療」まではできません。
薬機法第2条2項
この法律で「医薬部外品」とは、次に掲げる物であつて人体に対する作用が緩和なものをいう。
この法律で「医薬部外品」とは、次に掲げる物であつて人体に対する作用が緩和なものをいう。
一 次のイからハまでに掲げる目的のために使用される物(これらの使用目的のほかに、併せて前項第二号又は第三号に規定する目的のために使用される物を除く。)であつて機械器具等でないもの
イ、 吐きけその他の不快感又は口臭若しくは体臭の防止
ロ、 あせも、ただれ等の防止
ハ、 脱毛の防止、育毛又は除毛 。
ニ、 人又は動物の保健のためにするねずみ、はえ、蚊、のみその他これらに類する生物の防除の目的のために使用される物(この使用目的のほかに、併せて前項第二号又は第三号に規定する目的のために使用される物を除く。)であつて機械器具等でないもの 三 前項第二号又は第三号に規定する目的のために使用される物(前二号に掲げる物を除く。)のうち、厚生労働大臣が指定するもの
引用元:昭和三十五年法律第百四十五号 医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律 │ 厚生労働省
市販シャンプーとサロン専売品、何が違う?
シャンプーにはドラッグストアで手軽に変える市販シャンプーと美容室やオンラインで購入するサロン専売シャンプーがあります。
成分や効果に大きな差はなさそうに見えるかもしれませんが、実は配合成分・目的・使用感などに明確な違いがあります。
そこで目的や髪の状態に応じてどちらを選ぶべきかが分かるよう、それぞれの特徴を詳しくご紹介します。
市販シャンプー
市販シャンプーはドラッグストアやスーパー、コンビニ、ネットショップなどで手軽に購入できるシャンプーです。
価格帯も手頃で、香りやパッケージなど見た目のバリエーションも豊富です。
泡立ちがよく洗浄力が高い傾向にあるのが特徴で、香りや使用感に重きを置き万人向けの成分が多く配合されています。
洗浄力が強いのでスタイリング剤を多用する人におすすめですが、その分乾燥もしやすいので注意が必要です。
- 主な洗浄成分
→高級アルコール系(ラウレス硫酸Naなど) - 入手のしやすさ
→コンビニ・ドラッグストアで購入可能 - 価格帯
→500円〜1500円程度
サロン専売シャンプー
サロン専売シャンプーは美容室で取り扱っているプロ向けのヘアケア製品です。
成分にこだわりがあり髪質や頭皮の状態に合わせて選ぶことができます。
最近ではオンライン購入も可能になってきていますが、本来は美容師のアドバイスのもと使用することを前提とした製品です。
- 主な成分
→アミノ酸系(ココイルグルタミン酸Naなど) - 入手のしやすさ
→美容室・正規取扱サイト - 価格帯
→2000円〜5000円程度
結局どっちがいいの?
最終的にどちらを選ぶべきかは髪質や求める仕上がり、ライフスタイルによって異なります。
コストを抑えて気軽に使いたいなら市販シャンプー、成分や仕上がりにこだわりたい場合はサロン専売品。
言い換えると、市販品はコスト重視、サロン専売品はケア重視という考え方ができます。
どちらを選ぶにしても、「何をケアしたいか」「今の髪の状態はどうか」を軸に選ぶことが大切です。
自分に合ったシャンプーを選ぶために
シャンプー選びに大切なのは今の自分の髪や頭皮に合っているかどうかです。
見た目や香りだけで選ぶのではなく、以下のポイントを意識することで自分に合った1本に出会いやすくなります。
頭皮タイプで選ぶ
まずは自分の頭皮がどんな状態なのかを知ることから始めましょう。
- 脂性肌
→ベタつきやニオイが気になる脂性肌は、すっきり洗える高級アルコール系やスカルプ系 - 乾燥肌
→かゆみやフケが出やすい乾燥肌は、アミノ酸系など低刺激&保湿重視タイプ - 敏感肌
→赤みやヒリつきが気になる敏感肌は、無添加・低刺激、医薬部外品も検討してみるのも◎
髪質・悩みで選ぶ
髪そのものの状態も重要な判断基準になります。
- パサつき・広がりが気になる
→保湿成分配合のしっとり系 - ボリュームが欲しい
→軽やかでふんわり仕上がるタイプ - ダメージが目立つ
→補修成分入り(加水分解ケラチン、CMCなど) - カラー・パーマ後の髪
→カラーキープや補修特化のサロン専売品など
配合成分で選ぶ
目的に応じた配合成分で選ぶことも大切です。
- やさしい洗浄力
→アミノ酸系(ココイルグルタミン酸Naなど) - 補修
→加水分解ケラチン、セラミド、CMC - 保湿
→ヒアルロン酸、グリセリン、植物オイル(アルダン・ホホバなど)
迷ったら美容師さんに相談を
シャンプーの成分や種類に詳しくなることは大切ですが、それでも自分に合う一本を選ぶのは簡単ではありません。
そんなときは髪のプロである美容師さんに相談してみましょう。
美容師さんは日々多くの髪質や頭皮の状態を見ており、あなたの悩みやライフスタイルに合ったシャンプーを提案してくれます。
実際に髪や頭皮に触れたうえでアドバイスがもらえるため、ネットの口コミやパッケージ情報だけでは分からない本当に合うアイテムに出会える可能性が高まります。
また、美容室で取り扱っている専売品についてもその場で使用感を確認できたり、成分の特徴について直接説明を受けられるのも大きなメリットです。
迷ったときは遠慮せず、信頼できる美容師さんに相談してみるのが最も確実な選び方といえるでしょう。
正しい知識でシャンプー選びを見直そう
シャンプーは毎日の習慣だからこそ、成分や役割を理解して自分に合ったものを選ぶことが大切です。
洗浄の仕組みを支える界面活性剤には種類があり、それぞれ洗浄力や刺激性が異なります。
また、化粧品と医薬部外品の違いや市販とサロン専売シャンプーの特徴なども知っておくことで、髪や頭皮への負担を減らすことができます。
もし選び方に迷ったら自己判断に頼らず、美容師さんなど専門家に相談してみましょう。
シャンプーは毎日の習慣だからこそ成分や役割を理解して、自分に合ったものを選ぶことが大切です。
洗浄の仕組みを支える界面活性剤には種類があり、それぞれ洗浄力や刺激性が異なります。
また、化粧品と医薬部外品の違いや、市販とサロン専売シャンプーの特徴なども知っておくことで、髪や頭皮への負担を減らすことができます。
もし選び方に迷ったら、自己判断に頼らず、美容師さんなど専門家に相談するのも有効な方法です。髪や頭皮の状態に合わせて適切なシャンプーを選び、日々のケアをより効果的なものにしていきましょう。正しい知識が、あなたの髪をもっと健やかに導いてくれます。
髪や頭皮の状態に合わせて適切なシャンプーを選び、日々のケアをより効果的なものにしていきましょう。